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    深江歯科クリニックブログ

    技術のないインプラントオペの恐怖!

    今年96歳になる、患者Wさんから自作の油絵を頂きました

    南欧の田舎を描いた、明るくとてもいい絵なので、僕の机の横に飾りました

     

    Wさんの初診時は、もう30年近く前ですが、昨日の事のように覚えています。

    糸島の歯科医院から、「困ってる人がいるから、助けてやって下さい!」と、電話があって・・

    激痛で来院したWさんのレントゲンを見て、しばらく口が塞がらないほどビックリ

     

    他院でインプラント手術を受け、麻酔が切れた直後から激しい痛みに悩まされ・・

    当院に来るまで何も処置してもらえず、1ヶ月間も鎮痛剤を飲んで我慢したそうで・・・

    診察した時には、鎮痛剤も効かなくなって、激痛に顔をゆがめてやってきました。

     

    とてもインプラントとは思えない異物が、7本も入っていて・・・

    その中の2本が、オトガイ神経という大きな神経に刺さった状態でした。

    神経に直接、クギが刺さってるわけですから・・これは痛い

    1ヶ月も我慢できたなんて、奇跡だと思いました。

     

    本人の希望もあって、7本全部を除去し、Wさんに見せてあげました。

    とてもインプラントと呼べる代物ではなく・・・

    大工仕事に使うような又釘で、人体に使用できるような材料ではありませんでした

    あの時、Wさんが「スーとしたー」と言った時の、笑顔は今でも忘れません

     

    その後、どうしても入れ歯は嫌だ!ということで・・改めて僕がインプラントをして・・

    30年後、96歳になる今でも、そのインプラントでしっかり噛んでいます。

     

    自分の口で咀嚼して食べるのは、人間にとって本当に大切な日常で・・・

    これが出来なくなると、人間はどんどん老化していきます

     

    それ以来Wさんは、痛みから解放された喜びとインプラントで良く物が噛める喜びを・・

    いつも僕に話してくれて・・絵はその感謝の気持ち!と話してました。

     

    因みに、Wさんが油絵を始めたのは、この治療から2~3年後、70歳近くの時で・・

    「先生も一緒に、ヌードデッサンやりませんか?!」と誘われ困ったのでよく覚えています。

    その後Wさんはメキメキ上達し、パリのコンクールで入選するくらいの腕前に

     

    もともと前向きで明るくチャーミングな方なので、当院のスタッフからも愛されキャラで・・・

    絵もその性格を反映し、明るい暖色系の色調で素敵な絵です。

     

    退職後は趣味を楽しみながら元気で96歳を迎え、前向きに生きてるWさんは・・

    ポジティブ思考で、僕にとっては生きた教科書のような人物です